フグ毒の量はネズミで測る
2020/12/11
日本でも中国でも食用にされてきたフグですが、うっかり
「毒」のあるところを食べてしまったら大変です。
場合によっては命を落としてしまいますから
バカにはできません。
このフグ毒には、なんと毒の量を示す専用の単位があります。
「マウスユニット」という単位で、略して「MU」と書きます。
「マウスユニット」の「マウス」は、マウス(小型のネズミ)を
使ってフグ毒の量を測定するところからきたものです。
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一MUは、体重二〇グラムのマウスが三〇分で死亡する毒の量です。
人間の場合だと、一万MUで死に至るとされています。
フグーグラムあたりのMUを「毒力」といい、「MU/g」の
単位であらわします。毒力は、強い順から「猛毒」「強毒」
「弱毒」「無毒」に分類されます。
猛毒とは1000MU/g以上の毒で、マツダやクサフグの
卵巣と肝臓、メフグの卵巣などがこれに当たります。
人間ならわずかI〇グラムほどで死に至るとされます。
フグ料理に用いる筋肉や皮や白子、酒に入れるヒレなどは、
無毒に分類されるI〇MU/g未満です。
でも、無毒とはいえ、毒がまったくないわけではありません。
一キログラム以上も食べない限り致死量にはならないので、
無毒とされているだけのことです。
このように、どの種類のフグのどの臓器がどの程度危険か、
はっきり数値であらわせるようになったのは、実験台に
なった多くのマウスたちのおかげなのです。
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