アイスクリームのフタの謎
2020/12/11
高級アイスクリームは別ですが、一般的な一人用の
紙カップ入りアイスクリームは、ずいぶん簡単なフタの
つくりをしています。
丸い平而に小さな把手がついただけの落としブタです。
なんとも頼りない「アイスのフタ」ですね。
これはアイスクリーム独特のフタですが、この形には
ちやんとわけがあったのです。
食べかけのアイスクリームを冷凍室に入れておいたら、
ザラザラしておいしくなくなったという経験はないでしょうか?
アイスクリームを密封せずに冷凍室で保存すると、
時間がたつにつれて水分が蒸発してしまいます。
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すると、含まれている乳糖の濃度が高くなり、乳酸カルシウムが
結晶化を起こすことで、舌ざわりがザラザラしてくるのです。
これをできるだけ防ぐためには、冷凍保存するときに、
水分を逃がさないよう工夫しなければなりません。
その工夫が、落としブタというわけです。
工場でアイスクリームをカップに入れたあと、あのフタを
はめて上から押さえつけると、よぶんな空気が抜けます。
アイスクリームとフタがぴったり密着するので、
こうすれば乾燥しにくくなります。
アイスクリームの水分を逃がさない方法はほかにもありますが、
この落としブタ方式がもっとも低コストですむので、
長く用いられているのです。
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