新幹線のパンタグラフはフクロウがヒント
2020/12/12
「のぞみ」といっしょにデビューしたのが、時速三〇〇キロの
新幹線五〇〇系です。
この車両は、従来のものとはちょっと違った、ユニークな
デザインの「パンタグラフ」を採用しています。
パンタグラフはスピードが速くなるほど騒音が大きくなります。
そこで五〇〇系では、騒音を落とすことに力が注がれました。
スポンサーリンク
空気抵抗を少なくするため、鳥の羽をヒントに、上部を鳥が
羽を広げたような形にして騒音を減らしましたが、それでも支柱から
出る音はなくなりません。これを解決したのが、野鳥の会の会員でも
あったある開発者のアイデアでした。
開発者が思い浮かべたのは、暗闇で音を立てずに飛んで獲物を
捕まえるフクロウの羽。フクロウは羽毛がやわらかいことや、
翼が大きく羽ばたきが少ないことも音が立たない理由ですが、
さらに羽の前縁にトゲがあり、気流を断ち切ることで音を
立てないようになっているのです。
これを取り入れたパンタグラフで、騒音は一段と小さくなりました。
ただし、フクロウの羽のパンタグラフが採用されたのは五〇〇系だけ。
二年後に登場した七〇〇系には、「く」の字型のパンタグラフが
使われています。
スポンサーリンク