「羊羹」のどこか「羊」なのか?
2020/12/11
ヨーロッパ人と違って、昔の日本人にとって羊は
なじみの薄い動物でしたが、なぜか「羊」の文字を用いた
和菓子がありますね。
そう、「羊羹」です。
あずきを使った和菓子に、どうして「羊」の字が
当てられているのでしょう。
この理由は二説あります。
まず、一説では、中国であずきと砂糖でつくった蒸し餅を
「羊肝」と呼んでいて、これが鎌倉・室町時代に日本に
伝わったという説です。
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中国では、羊の肝に色が似ているという理由で「羊肝」と
呼んでいたのですが、日本人は「肝」の字を嫌い、
「羹」の字を当てたといいます。
もう一説は、羊羹の起源は中国から伝わってきた羊の羹、
つまり、羊のお吸い物という説です。
羊の羹なので羊羹と呼んでいたのですが、鎌倉・室町時代の
禅宗文化の精進料理で、羊肉をあずきに代えて、あずきの
蒸し物を茶道のお茶菓子として用いるようになったというのです。
どちらが正しいのかたしかではありませんが、どちらにしても、
羊葵のルーツは中国ということになります。
中国では羊を飼ったり食べたりしますから、羊羹の文字は
その文化の産物といえるでしょう。
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