うんちく・豆知識・雑学 「冷凍ミカン」と「ミカン」と「梅干し」
2020/12/11
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なぜ駅の売店で「冷凍ミカン」なのか?
駅の売店では、お弁当やお茶などといっしょに、「冷凍ミカン」を
見かけることがあります。
駅ならではの食べ物だからでしょうか、旅行先で思わず冷凍ミカンを
買いたくなることがありますね。
あの「冷凍ミカン」、駅の売店で売られているのにはわけがあります。
じつは、列車に冷房がなかった時代の暑さ対策だったのです。
列車に冷房がなかった時代、夏の旅は暑くてたまりませんでした。
もちろん新幹線などなく、列車の速度が今よりずっと遅かったので、
時間もずいぶんかかりました。
そんなときの暑さをやわらげるために冷たい食べ物を、というので
「ミカン」を凍らせたそうです。
ミカンは果物のなかでいちばん安い、当時の冷凍技術でも甘味を
残せる、アイスクリームなどより冷たさが長続きする、溶けてから
食べてもまずくない、などの理由から、手頃な氷菓になったのです。
今では車内冷房が当たり前になりましたが、冷凍ミカンが恋しい
という声も根強く、売店に残っているのです。
ただし、今では冷凍ミカンを置く売店が、ずいぶん少なく
なっています。
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ミカンをもむと本当に甘くなるの?
冷凍ミカンにするようなミカンはすっぱくありませんが、秋頃の
出始めのミカンはすっぱいですね。
「すっぱいミカンをもむと甘くなる」といわれるので、
よくもんだりしませんか?
でも、もんだからといって本当に甘くなるわけではありません。
ミカッをもんでも糖度は変わらないのです。
しかし、もんだほうが甘く感じることは確かです。
では、何か変わるのでしょうか。
それは、「酸度」です。甘さではなく、すっぱさの度合いが
変わるのですね。
ミカンの酸度はクェン酸が主成分ですが、もんで細胞がつぶれると、
ミカンはクェン酸を使って細胞を直します。
つまり、クェン酸が減って酸度が下がるので、そのぶん相対的に
甘く感じるわけです。
わたしたちがミカンを食べたときに感じる甘さは、糖度と酸度の
バランスによって決まるので、酸度が下がると甘くなったように
感じるのですね。
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日本の梅干しは輸入モノ!
ミカンはすっぱいより甘いほうが好まれますが、すっぱいほうが
好まれる食べ物もあります。
そう、「梅干し」です。
梅干しは日本独自の食べ物というイメージが強いですが、
じつは中国にもあります。
広東料理には中国風の梅干しがありますし、台湾では、梅を
乾燥させて砂糖をまぶした「蜜銭」というお菓子もあります。
じつは、日本で売られている梅干しも、中国産や台湾産が多い
ということに気づいていましたか?
市販の梅干しのパックを見ると、上面の目立つところには
「紀州梅」などと書いてあっても、下面には「原産地 中国」と
表示してあるものがよくあります。
ここ数年よく見かけるようになった表示ですが、じつは、梅干しの
梅は、すでに一九六〇年代頃から輸入されていたのです。
はじめは台湾産を輸入することが多かったようですが、数年ほど
前から人件費の安い中国産が主流になったそうです。
ただ、以前は、台湾や中国から梅を輸入しても、最終的に
加工したのが日本なら、「和歌山県産」などと、加工地の
表示だけでよかったのです。
それが、一九九九(平成一年頃からは加工地のほか、原料の
生産地も表示しなければならなくなりました。
そこで、「原産地 中国」と表示されたものが増えたのです。
梅を輸入するようになったのは、なにも最近はしまった
ことではありません。
わたしたち消費者が気づいていなかっただけで、ずっと
以前から輸入に頼っていたのです。
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