うんちく・豆知識・雑学 「ビール瓶」と「土俵」と「塩」
2020/12/12
-
透明なビール瓶がないワケ
いろいろなお酒のビンを比べてみてください。ウイスキーや
ジンや焼酎には透明なビンに入っているものが多いのに、
透明な「ビール」瓶というのは見たことがありません。
国産のビール瓶はどれも褐色だし、外国製でも、褐色か濃い緑色
のビンに入っています。
居酒屋などで見かける地酒も、褐色や緑や青などの色のついた
ビンに入っていて、透明なビンのものは見かけませんね。
一体どうして、ビールや地酒は透明のビンに入れないのでしょうか。
じつは、ビールや地酒などは「醸造酒」と呼ばれるお酒で、太陽の
紫外線に弱いのです。
醸造酒は、穀物を発酵させて濾過しただけで蒸留をしていないので、
不純物がたくさん含まれています。
ですから、日光を浴びるとこの不純物が変質して、味が落ちて
しまうのです。
たとえばビールの場合だと、ビールに含まれるホップは紫外線で
変質しやすい成分なのです。
また、日光に当たって温度が上がることによっても味は落ち
やすくなります。
そこで、ビンに濃い色をつけて、ビールの風味や香りを
保護しているのです。
ビール瓶の色は伊達ではなかったのですね。
スポンサーリンク
-
大相撲の土俵はビール瓶で固めている
ビール瓶は意外なところでも活躍しています。
なんと、大相撲の「土俵」は、ビール瓶で叩いて固めているのです。
ビール瓶は先が細くてにぎりやすいし、表面がなめらかなので、
土俵を平らに仕上げるのにちょうどいいというわけです。
毎場所、呼び出しが総出でビール瓶をふり上げ、壁土用の
土を固めて土俵をつくっているそうです。
ちょっと意外な光景ですね。
こうして土俵をつくったあと、本場所がはじまる前には、
「土俵祭り(土俵開き)」という行事を行って土俵を清めます。
このとき、土俵中央に開けた穴のなかに、洗米、ゴング、スルメ、
カヤの実、勝栗、清めの「塩」の六品を埋めます。
土俵は、とても神聖な場所なのです。
スポンサーリンク
-
お店の「盛り塩」のルーツは色っぽい!
土俵に埋める塩は、邪悪なものを払う清めの塩ですが、
塩を用いた縁起かつぎには、この清めの塩のほか、
商売繁盛を願う「盛り塩」というものもありますね。
お店の入り口に小さく盛られているあの塩です。
「縁起塩」「初塩」などと呼ぶこともあります。
この盛り塩の起源は、一七〇〇年ほど前の中国にあります。
晋代の武帝という皇帝には三〇〇〇人もの愛妾がいたと
いいますが、そんなに愛妾が多いと、毎晩、夜のお相手を
選ぶのが大変です。
自分で決めるのも面倒だというので、牛車の牛が止まった
ところの女性をその晩の相手とするようになりました。
そこで、ひとりの賢い愛妾が一計を案じ、門口に牛の
大好きな塩を盛ったのです。
すると、皇帝の牛車が通りかかったとき、牛はいつも
その愛妾の門口で止まって塩をなめはじめます。
彼女はこうして、皇帝の寵愛をひとりじめすることが
できたのです。
この故事から、盛り塩をすると客の足を止めるという
商売繁盛の信仰が生まれたわけです。
あの盛り塩には、なかなか色っぽい起源があったのです。
スポンサーリンク